父娘の熱いスポ根映画「ダンガル きっと、つよくなる」
数ヶ月前にシネコンで公開されていた「ダンガル きっと、つよくなる」。観に行こうと思ってスケジュールを確認した時にはシネコン内の小さな劇場に移ってしまい、こんな小さいところだったら、DVDになるのを待ったほうがいい、とあきらめた映画。
その「ダンガル」がなぜか、いつも利用している元・普通の映画館/今・シネコンにやって来ました。やったー!アメリカの友人から送られてくるDVDを観ているうちに好きになってしまったインドの映画。最近は日本でも人気が高くなり時々シネコンでも上映されるようになりました。
「ダンガル」の主演は「アーミル・カーン」。シャールク・カーン、サルマン・カーンと共に三大カーンを呼ばれるインドの大スターですが、アーミル・カーンが主演する映画は特に観ごたえがある内容の映画が多い気がします。だから大きい劇場での公開が多いのかな。
アーミル・カーンの名前が日本でよく(?)知られるようになったきっかけとなった映画は「きっと、うまくいく」。学生時代の友達の行方を探す、楽しくてハートウォーミングな映画です。その後の「PK」ではインドにやって来た宇宙人役を好演していました。
1965年生まれのアーミル・カーンですが、とてもその年生まれとは思えない若々しい風貌です。しかし!「ダンガル」では太って&老けて、かつては敵なしのアマチュアレスリング選手だった迫力ある男性に扮します。
「ダンガル」で初めてアーミル・カーンを観る方は「アーミル・カーンはこういう顔の俳優なのか」と思われると思いますが、いつもはこういう顔ではないです。映画の最初のほうに若かりし頃の姿がチラと出ますが、それがいつものアーミル・カーンです。
アーミル・カーンがあそこまで姿を変えて挑んだ感動大作「ダンガル」。自分が果たせなかった夢を娘たちに託し、アマチュアレスリングの金メダル目指して父娘で熱く進む、パワフルで真面目なスポ根シネマ。その設定自体は実話に基づいているそうです。
インド映画と言うと、頭に浮かぶのは劇中で突如始まる歌とダンス。インドの映画に馴染みがない方には奇妙に感じる独特の感情表現方法ですが、「ダンガル」ではダンスシーンはありません。歌が挿入される箇所はいくつかありますが、シーンとマッチしているので不思議に感じることはないでしょう。
発売されているサウンドトラックを調べてみると、映画の中に登場する曲は7曲でした。特に印象的なのは映画のタイトルである「Dangal」という曲。ダンガル、ダンガル、とずんずん力強く響く歌声が心を揺さぶり、気分が高揚します。テンションを上げたい時に聴きたい一曲です。
「ダンガル」には、笑いの多い映画「きっと、うまくいく」を彷彿させるサブタイトルが付いていますが、「ダンガル」は真面目なドラマです。「きっと、うまくいく」みたいな感じかな、と思って観ると、あれ?と思ってしまうかもしれません。
そんな「ダンガル」の語り部的存在は、アーミル・カーン扮するお父さん(マハヴィル)の甥っ子。小さい時から姉妹と共に過ごして来たのんびり屋で気のいい男性です。この甥っ子が語り部になることによって、真面目一徹の内容をほっこりさせてくれます。
ネタバレになるので控えますが、映画は中盤からグッと盛り上がりを見せます。ハラハラ目が離せないままクライマックスへ。暖かさと爽快感で胸いっぱいになれる素晴らしい作品です。気分転換になるのはもちろん、パワーが欲しい!という時におすすめです。
【 映画情報 】
映画タイトル:ダンガル きっと、つよくなる
オリジナルタイトル:Dangal
監督:二テーシュ・ティワーリー
主演:アーミル・カーン(マハヴィル役)
公開年:2016年(日本での公開は2018年)