2018真夏のおすすめ娯楽映画 その1「ジュラシック・ワールド 炎の王国」
梅雨明けが早かったので、なんだかもうずいぶん前から夏気分ですが、学校も終業式を迎え、平日の街中で子供たちを見かけるようになると、夏が来た!と実感します。
暑いけれどやっぱりどこかに出かけたくなる、開放的な気分になる夏。久しぶりにテーマパークに行きたいな、なんて思っても、なかなか遠くまで時間とお金をかけて遊びに行くことが出来ないのが一般的な大人の現状です。
そんな時におすすめなのが、暑さを吹き飛ばしてくれる娯楽大作映画。毎年、必ず数本が公開されますよね。テーマパークでスリルたっぷりのライド系アトラクションを楽しんだかのようなひとときを満喫出来ます。それも涼しい中で!しかも2D上映なら1000円台で(笑)。
「ジュラシック・ワールド 炎の王国」は、まさに真夏におすすめの娯楽大作映画です。夏休みで映画館が混む前に観に行ったのですが、平日の昼間でしたが結構混んでいて、このシリーズにはファンが多いことを実感しました。
「ジュラシック・ワールド」は2015年にスタートしたシリーズですが、1993年・1997年・2001年に公開された「ジュラシック・パーク」3部作から続いている話です。中米にある架空の島「イスラ・ヌブラル島」が舞台となっています。
「ジュラシック・パーク」3部作を観なくても「ジュラシック・ワールド」シリーズは楽しめますが、やはり話がつながっているので、観ておくほうが新シリーズをより楽しむことが出来るでしょう。特に第1作目は、出来れば観ておくことをおすすめします。
さて、今回の「ジュラシック・ワールド 炎の王国」は、前作「ジュラシック・ワールド」の続編映画です。こちらは前作とばっちりつながっているので、もしまだ1作目を観ていなかったら先にこちらを鑑賞してから2作目を鑑賞するのがおすすめです。
前作で崩壊してしまった恐竜のテーマパーク「ジュラシック・ワールド」。あれから3年経ち、島は恐竜たちが自由に暮らす地になっていましたが、島の活火山が活動を始め、恐竜たちに危機が訪れます。
危険な状態にある島をある使命を持って訪れるのが、前作の主人公たちである、元ジュラシック・ワールド責任者:クレア・ディアリング(ブライス・ダラス・ハワード)と、恐竜の調教師:オーウェン・グレイディ(クリス・プラット)です。
ブライス・ダラス・ハワードは、スターウォーズ・ストーリーの「ハン・ソロ」を監督したロン・ハワードのお嬢さん。クリス・プラットは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」でも人気の注目のスターです。
1作目と同じく、クリスとオーウェンの仲は同じような感じ。仲がいいんだか悪いんだかわからない2人ですが、危機に直面してのチームワークは相変わらず抜群で、こういうのを「気が合う2人」と言うんだなと、今回も実感出来ます。
ポスターに描かれている火山シーンは映画の最初の見せ場です。ここは恐竜好きには特におすすめ。とにかくドカドカたくさん登場する恐竜たちに気持ちが高まることでしょう。もちろん手に汗握るハラハラ感も思い切り楽しめます!
しかし島の火山シーンは物語全体の序章に過ぎません。その後のクリスとオーウェンたちを待ち受けていたのは、まさに「生命は、新たな道を見つける」と言える、衝撃的な出来事でした。
子供たちの冒険も楽しめる前作「ジュラシック・ワールド」は、ドキドキ・ワクワクという感じでしたが、今回の「ジュラシック・ワールド 炎の王国」は、ドキドキ・ハラハラの、ちょっと影のある大人好みの映画でした。
この違いはなぜ?と思い、監督を調べてみたのですが、前作はアメリカ人監督で今作はスペイン人監督。なんとなく腑に落ちました。
今作の監督は、フアン・アントニオ・バヨナ。名作ホラー「永遠のこどもたち」を撮った方でした。「ジュラシック・ワールド 炎の王国」の中で「永遠のこどもたち」をなんとなく思い出させるシーンがあったので、同じ監督さんだったことに納得です。
迫力ある場面やハラハラするシーンが続く「ジュラシック・ワールド 炎の王国」。2時間以上の上映時間ですが、映画の世界に惹き込まれて、あっという間の時間に感じるかも知れません。まさに真夏のおすすめ娯楽映画です。
ちなみに映画のオリジナルタイトルは「Jurassic World : Fallen Kingdom」です。「ジュラシック・ワールド 堕ちた王国」という和訳になると思うのですが、邦題の「炎の王国」の意味がちょっとわかりません。火山が噴火したからかな?
【映画情報】
映画タイトル:ジュラシック・ワールド 炎の王国
オリジナルタイトル:Jurassic World : Fallen Kingdom
主演:ブライス・ダラス・ハワード(クレア・ディアリング役)
公開年:2018年(アメリカ・日本共に)
続編公開前におさらいしました!大人も楽しめるディズニーアニメ映画「Mr.インクレディブル」
2018年8月1日に日本公開のアニメ映画「インクレディブル・ファミリー」。アメリカでは6月に公開されたそうです。「インクレディブル・ファミリー」は2004年に公開された「Mr.インクレディブル」の続編映画。なんと、もう14年も経っていたのですね。
ツタヤでDVDを借りて観て、とても気に入ってDVDを購入して今までに何度も観ている「Mr.インクレディブル」ですが、「インクレディブル・ファミリー」公開前にストーリーをおさらいしておこう、と久しぶりに観てみました。
「Mr.インクレディブル」のオリジナルタイトルは「The Incredibles」。日本語にすると一般的には「インクレディブル家」という意味ですが、この映画の主人公一家の名字はインクレディブルではなく、「パー」です。
さまざまな正義のヒーローたちが活躍していたあの頃から15年。パー家のあるじで、かつては怪力の「ミスター・インクレディブル」として悪と戦っていたボブは、今や生気のない中年太りのサラリーマン。好きでもない仕事を黙々とこなします。
ボブの奥さんはヘレン。かつてはボブと同じく悪と戦うスーパーヒーロー「イラスティガール」でした。イラスティガールの綴りはElastigirl。「伸縮自在の」と意味のelasticから名付けられているようですが、その名のとおり、自由に伸びる体が特徴です。
パー家には子供が3人。お姉ちゃんのヴァイオレットに弟のダッシュ、そして赤ちゃんのジャック・ジャックです。ヴァイオレットとダッシュにはスーパーパワーが受け継がれており、ヴァイオレットは透明になれる&バリアを張れる、ダッシュは超高速で走ることが出来ます。
自分たちのスーパーパワーを隠して一般人として暮らしているパー一家はストレスがいっぱい。生きがいを失ったようなボブ、自分に自信がないヴァイオレット、エネルギーの発散場所がなく学校でいたずらをして問題児扱いされるダッシュ。
しっかりしてるのは専業主婦であり母であるヘレンだけ。スーパーヒーローだった頃の自分を忘れられないボブとは違い、一般人としての自分を受け入れて生きています。やっぱり、女性は現実的で、そして生きていく力が強い!
家庭不和までは行かないけれど、上手く行っているとは決して思えないパー家。しかしある日、ボブが受けた秘密の仕事がきっかけとなり、一家の退屈な日々が一転します。
実は、「Mr.インクレディブル」は劇場公開されてから何年か経ってようやく観た映画です。なぜなかなか観る気にならなかったかというと、ディズニーが配給のアニメ映画だったから。
ディズニーだから、大人が楽しめるというより子供に向けた内容の映画なのだろうなと思っていました。家族もの映画なので、「家族がいちばん」のような道徳的なメッセージが含まれていそうだったのもちょっと避けてしまう理由でした。
ところが!観てみたら全く違いました。もちろん家族が再生していく過程も描かれていますが、それはパー家の皆さんの活躍をワクワクしながら観ているうちに自然に頭に入ってくる程度。さまざまなスーパーパワーを持つ「チーム」の面々の大活躍を満喫するのがこの映画の醍醐味です。
60年代調のちょっとレトロなグラフィックと音楽がとにかくカッコいいです。スパイ映画ではありませんが、なんとなくショーン・コネリーが活躍していた頃の007映画を思わせるようなカッコよさがあります。そしてアニメだけにアクションがとにかくスピーディ!
ディズニー配給のアニメ映画ですが、ストーリーは大人も十分楽しめる内容、いや大人のほうが楽しめる映画かも知れません。悪者はしっかりと「悪者」なところも大人向け。クライマックスに向けて、実写のアクション映画のような息もつかせぬシーンが続きます。
洋画作品のDVDは、英語のまま/日本語字幕で鑑賞することが多いのですが、「Mr.インクレディブル」を観る時はいつも日本語吹き替えで観てしまいます。吹き替えの声が登場人物たちにピッタリで、映画をより楽しめると思えるからです。
ボブの声は三浦友和さん、ヘレンの声は黒木瞳さんが担当、またヴァイオレットの声は綾瀬はるかさんが担当しています。印象に残る悪役のシンドロームの声は雨上がり決死隊の宮迫博之さん。今だに宮迫さんをテレビで観るとシンドロームを思い出してしまいます。
インクレディブルとは「信じられないくらいスゴい!」という意味の英単語。そのとおり、信じられないほどスゴい4人のカッコいい活躍を満喫して、スカッと元気になれる映画です。最後は赤ちゃんのジャック・ジャックの活躍(?)も楽しめますよ。
来月から公開の「インクレディブル・ファミリー」、とっても楽しみです!
【映画情報】
映画タイトル:Mr.インクレディブル
オリジナルタイトル:The Incredibles
監督:ブラッド・バード
公開年:2004年(アメリカ・日本共に)
じんわり暖かな余韻が残る映画「ブリグズビー・ベア」
TBSの「王様のブランチ」映画コーナーで紹介されていたアメリカ映画「ブリグズビー・ベア」。LiLiCoさんの説明を聞いて「この映画観たいなぁ」と思いましたが、ミニシアター系とのことだったので、劇場では観るチャンスはないかなと思っていました。
ところが!たまたま「今日ちょっと時間あるから映画でも観たいな〜」と思って、よく利用する元・普通の映画館/今・シネコンの上映スケジュールをチェックしてみたら、なんと!「ブリグズビー・ベア」が来ていました!嬉しかった!!
「ブリグズビー・ベア」の主人公は、ジェームス。モジャ毛にメガネの青年です。赤ちゃんだった25年前にさらわれて、その後は人里離れた砂漠の中にある秘密基地みたいな家で誘拐犯のニセ両親と暮らしています。
退屈な日々の中での楽しみは、定期的に届けられる「ブリグズビー・ベア」のビデオテープでした。それは、着ぐるみのクマ=ブリグズビー・ベアの冒険物語。なんとなく、NHK教育テレビ(Eテレですね)の子供番組にありそうな、少年の心を沸き立たせる内容です。
ところがある日、とうとう警察が隠れ家をつきとめ、ジェームスは本当の両親の元に戻ります。そこには彼がさらわれてから生まれ、今は高校生の妹も。ここからが「ブリグズビー・ベア」の本題です。
ブリグズビー・ベアに固執するジェームスと、誘拐されていた時のことは早く忘れて今の生活に慣れてもらいたい両親。そして突然現れた奇妙な「お兄ちゃん」がウザい妹。もちろん上手く行きません。
あるきっかけから自分でブリグズビー・ベアの続編を撮ろう!と決めるジェームス。協力してくれる仲間も出来て映画制作は順調に進みますが、ここからもいろいろあり、映画のポスターに書かれているように「ちょっぴりせつない」気持ちにさせられます。
この映画の素敵なところは、ジェームスを囲む周囲の人たちの優しさや暖かさ。周囲に合わせることなく自分の情熱に従って進むジェームスに戸惑いながらも、友情をはぐくんだり、優しく見守ったり、理解しようと努めたりします。
主人公のジェームス役はカイル・ムーニー。アメリカで何十年と続く大人気コメディ番組「サタデー・ナイト・ライブ」にも出演する人気コメディアンです。しかし日本人にとって馴染みがある俳優さんは、ニセ父役のマーク・ハミルのほうでしょう。
マーク・ハミルは「スターウォーズ」エピソード4〜6のルーク・スカイウォーカー役で有名な俳優です。近年公開されたエピソード7と8にも登場、久しぶりに姿を観ることが出来て嬉しかったです。
エピソード8公開前のインタビュー映像をテレビで観たことがありますが、マーク・ハミルは暖かい笑顔がいっぱいのとても明るい方でした。「ブリグズビー・ベア」ではそういう彼のキャラが現れている(?)、印象に残るニセ父を演じています。
「ブリグズビー・ベア」はミニシアター系らしく独特の雰囲気がある映画ですが、大作にはなかなかない、じんわりしみじみと心に広がる暖かさを与えてくれる映画です。観て良かった...LiLiCoさん、この映画を紹介してくれてありがとう!
映画を観に行った当日は、映画の上映が終わっても劇場が明るくなるまでは誰も席を立ちませんでした。また、明るくなっても前方に座っていた10人くらいの観客は全く動いていないというちょっと不思議な光景を見ました。
ウルウルしてしまっていたから涙がおさまるまで立てなかったのかな、とも思いましたが、映画の余韻を楽しんでいたからじっと座っていたのかも知れません。そんな風に思える、心に染みる名作でした。
【映画情報】
映画タイトル:ブリグズビー・ベア
オリジナルタイトル:Brigsby Bear
監督:デイブ・マッカリー
主演:カイル・ムーニー(ジェームス役)
日本公開年:2018年
父娘の熱いスポ根映画「ダンガル きっと、つよくなる」
数ヶ月前にシネコンで公開されていた「ダンガル きっと、つよくなる」。観に行こうと思ってスケジュールを確認した時にはシネコン内の小さな劇場に移ってしまい、こんな小さいところだったら、DVDになるのを待ったほうがいい、とあきらめた映画。
その「ダンガル」がなぜか、いつも利用している元・普通の映画館/今・シネコンにやって来ました。やったー!アメリカの友人から送られてくるDVDを観ているうちに好きになってしまったインドの映画。最近は日本でも人気が高くなり時々シネコンでも上映されるようになりました。
「ダンガル」の主演は「アーミル・カーン」。シャールク・カーン、サルマン・カーンと共に三大カーンを呼ばれるインドの大スターですが、アーミル・カーンが主演する映画は特に観ごたえがある内容の映画が多い気がします。だから大きい劇場での公開が多いのかな。
アーミル・カーンの名前が日本でよく(?)知られるようになったきっかけとなった映画は「きっと、うまくいく」。学生時代の友達の行方を探す、楽しくてハートウォーミングな映画です。その後の「PK」ではインドにやって来た宇宙人役を好演していました。
1965年生まれのアーミル・カーンですが、とてもその年生まれとは思えない若々しい風貌です。しかし!「ダンガル」では太って&老けて、かつては敵なしのアマチュアレスリング選手だった迫力ある男性に扮します。
「ダンガル」で初めてアーミル・カーンを観る方は「アーミル・カーンはこういう顔の俳優なのか」と思われると思いますが、いつもはこういう顔ではないです。映画の最初のほうに若かりし頃の姿がチラと出ますが、それがいつものアーミル・カーンです。
アーミル・カーンがあそこまで姿を変えて挑んだ感動大作「ダンガル」。自分が果たせなかった夢を娘たちに託し、アマチュアレスリングの金メダル目指して父娘で熱く進む、パワフルで真面目なスポ根シネマ。その設定自体は実話に基づいているそうです。
インド映画と言うと、頭に浮かぶのは劇中で突如始まる歌とダンス。インドの映画に馴染みがない方には奇妙に感じる独特の感情表現方法ですが、「ダンガル」ではダンスシーンはありません。歌が挿入される箇所はいくつかありますが、シーンとマッチしているので不思議に感じることはないでしょう。
発売されているサウンドトラックを調べてみると、映画の中に登場する曲は7曲でした。特に印象的なのは映画のタイトルである「Dangal」という曲。ダンガル、ダンガル、とずんずん力強く響く歌声が心を揺さぶり、気分が高揚します。テンションを上げたい時に聴きたい一曲です。
「ダンガル」には、笑いの多い映画「きっと、うまくいく」を彷彿させるサブタイトルが付いていますが、「ダンガル」は真面目なドラマです。「きっと、うまくいく」みたいな感じかな、と思って観ると、あれ?と思ってしまうかもしれません。
そんな「ダンガル」の語り部的存在は、アーミル・カーン扮するお父さん(マハヴィル)の甥っ子。小さい時から姉妹と共に過ごして来たのんびり屋で気のいい男性です。この甥っ子が語り部になることによって、真面目一徹の内容をほっこりさせてくれます。
ネタバレになるので控えますが、映画は中盤からグッと盛り上がりを見せます。ハラハラ目が離せないままクライマックスへ。暖かさと爽快感で胸いっぱいになれる素晴らしい作品です。気分転換になるのはもちろん、パワーが欲しい!という時におすすめです。
【 映画情報 】
映画タイトル:ダンガル きっと、つよくなる
オリジナルタイトル:Dangal
監督:二テーシュ・ティワーリー
主演:アーミル・カーン(マハヴィル役)
公開年:2016年(日本での公開は2018年)